コラム

 公開日: 2016-09-15 

高気密・高断熱の家でも窓は開けましょう


家造りを考えるとき、皆さんは風通しというのをどの程度考えますか。
昨今は、高気密・高断熱の家が当たり前のようになり、あまり風通し
は重視されない傾向があります。
現代の家はどれだけ空調設備が効きやすいかに重きを置いています。
確かに、空調機器が効きやすい家は省エネでもあります。
2020年には省エネ基準は義務化されることになるので、断熱性能の
基準を守らなければ建てられなくなります。
一時期、環境共生住宅という言葉が流行りましたが、この住宅は高気
密・高断熱の家とはやや違った(正反対?)家造りです。
外と家の中をオープンにしてつなげてこそ環境共生です。
高気密・高断熱にすると窓は閉じられたままになることが多くなります。
外とつなぐには、住む人が窓を開けて解放するという必要があります。
これが面倒だから空調設備に頼った生活になってきているとも言えます。
換気にしても人がするよりは、機械換気設備で自動的にしたほうが確実
なのかもしれません。
しかし、健康的な生活のためには窓を開け放して家の中の空気を入れ替
えることは必要です。

日本は南北に長い国ですから、寒い地域もあれば暑い地域もあります。
北海道のように暖房設備がなければ生活していけない地域では高断熱の家は
絶対必要です。
しかし、九州など比較的温暖な地域ではそのような断熱は必要ではないでしょう。
それよりもどうすれば夏場を快適に過ごせるかのほうが大事です。
もともと寒い地域のための高断熱だったものが、冷房にも有効ということで高気密・
高断熱の家を全国的に広めていこうというのが、今の家造りです。

当社の事務所も冬場の暖房のためにインナーサッシ(後付けの樹脂サッシ)をつけて
います。
確かに、暖房はよく効くようになりました。
省エネにも役立っているように思えます。
しかし、最近感じたのが急に雨が降り出して吹き降りが入り始めたのですべてを閉めて
回ると、あれだけ激しい雨音が全く聞き取れなくなったことです。
静かでいいと言えばいいのですが、完全に遮断された感じです。
先日お引渡しさせてもらった方も以前住んでいた家では外で歩いている人が話をしてい
ても聞こえていたのが、新しい家に引っ越してきて、窓を閉めた状態で外を見てみると
「口パクだけでまったく聞こえない」「雨が降っていることに気が付かなかった」といったことが
あるそうです。
いいことか悪いことかわかりませんが。

当社は今でも家造りの時は風通しを重視して造ります。
我が家も、さすがに今年の夏のように強い日差しが続くと風通しだけで生活するのはつらい
日もありました。
しかし、夜や朝方などは結構涼しい風が部屋の中を通り抜けてクーラーとは違った涼しさを
味わうことができます。
特に西側に地窓をつけているのですが0ここからの風が涼しいです。
しかし、この風通しも草木の間を通り抜けた風だからこそ涼しいということです。
都会のように家が密集していて、回りがアスファルトやコンクリートで覆われたところでは
やっぱりクーラーに頼るしかないのかもしれません。

人間には、もともと環境に適応する力があります。
暑さや寒さもある程度我慢することでこの適応力も高くなります。
高気密・高断熱の家は快適かもしれませんが、外と遮断された生活は人の適応力を弱める
家でもあります。
高気密高断熱であっても気候のいい時は面倒でも窓を開放して外とつながりのある生活を
心がけましょう。
これは家の性能云々ではなく、住む人の考え方次第です。

この記事を書いたプロ

輪和建設株式会社 [ホームページ]

中西直己

奈良県大和郡山市満願寺町814-6 [地図]
TEL:0743-53-3355

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