コラム

 公開日: 2017-10-26  最終更新日: 2017-11-27

自己肯定感について

「自己肯定感とはなにか」


ある日の新聞の投稿記事に、以下のような内容のものがありました。
***
元カレは自己肯定感が高くて、いつも自信満々で鼻についた。海外からの仕事の電話なんかはわざと音量をあげて聞こえるようにして、終わってから、どや顔。
***
「自己肯定感」が誤解されてるなぁって思いました。

自己肯定感というのはそのままの意味です。自己を肯定する感覚です。
自己というのは、「今の」「ありのままの」自分、条件つきではない自分です。何かに優れている自分ではなくて、「ただのわたし」なんです。
ハリー・ポッターが「僕は、ただのハリーだ」と言ったときに、ハグリットが言いました。「じゃあ、ただのハリー・・」。魔法能力を持っているハリーが「ただのハリー」なんですよね。そのときのハリーにとっては、魔法能力は隠すべきものであり「そんなものはない!」と否定しなければいられないものだったんです。ところが、ホグワーツ魔法学校に入学してからハリーの魔法能力への評価は一変します。
能力への評価は、どんな物差しによる評価なのかで簡単に変わってしまいます。
どんな物差しでも変わらないものは、その人そのものの生命は誰も代わることのできない、かけがえのないものということです。

わたしの人生は、他の誰にも生きられない。わたしの生命は、他の誰の生命でもない。
そんなわたしにはできることがあるし、できないことがある。清も濁もある。それで、生きている。
それはどんな時代においても、どんな文化においても、どんな社会規範においても変わらない事実ですから。
何かの能力に優れている自分を肯定している状態を、自己肯定感が高いというのは誤解なんです。

じゃあ、なにかの能力をアップしようとするのは、間違いなの?
いえいえ、そんなわけありません。
その能力をアップする努力をしているのは、今を生きている、かけがえのない自分です。
そういったことも含めて、かけがえのない「ただのわたし」なのです。

「自己肯定感はどのように形成されるか」


わたしがわたしを認めることが自己肯定なわけですが、その形成には他者が関わっています。
自己肯定感の形成には、他者による、受容と信頼が不可欠です。

まず、「そのままのあなたが好きだよ」という受容です。
どんな容姿だろうが、どんな性格だろうが、何かができようができまいが、受容してもらえることが大切です。
けれども、受容だけでは「わたしは成長できない、自分では何もできない」という無力感を持ってしまう恐れもあって
次に、信頼が必要になります。
「あなたにはできるよ」という信頼です。

赤ちゃんは、おっぱいが欲しいと泣いて、おむつが濡れると泣いて、暑いとか痒いとか、不快だと泣きますが
それに対して「ああ、よしよし」と言う。これが受容です。
そのうち、寝返りをしたり、はいはいをしたり、立ったり、歩いたりするようになるのですが
何度も失敗しながら、できるようになる様を、期待しつつ、急かさず見守る。これが信頼です。
赤ちゃんの場合はわかりやすいですね。

そんな受容と信頼を、繰り返し他者から受けることによって、自己肯定感は形成されていくのです。
自己肯定感が育まれることは、他者の関わりなくしては、ありえないのです。

「自己肯定感を育むための安全基地」


どんな人でも、最初の他者は養育者です。
ですから、養育者により、受容され信頼されるというのが理想的です。
ところが、養育者も人間なのでパーフェクトでないのが、あたりまえですよね。
自分には理解できない反応に恐れを抱いたりもするし、自分のコンプレックスに触れる行為にだめ出ししたりもするし、「ちゃんとしつけなければ」っていうプレッシャーに翻弄されたりもするしね。
養育者自身が自己肯定感がとても低くて、それを子で満たそうとしてたりすると、もう、ハチャメチャになってしまいます。

けれど、他者は養育者だけではないですし、一人だけではないです。
誰かが受容してくれて、誰かが信頼してくれる。
そういうことが、自己肯定感を育むのです。

子供のときに、養育者が、受容してくれる大人、信頼してくれる大人ではなくて、それどころか、否定したり、攻撃してくる大人、不安を押しつけてくる大人だったりすると、自己肯定感は育まれにくいです。
それでも、養育者以外でも、受容してくれる大人、信頼してくれる大人に出会うことができれば、心の中に安全基地ができます。どんなに傷ついてもどんなに凹んでも、いつでも戻れる安全基地、それが自分の心の中にできるのですから、自己肯定感はアップします。
そういったアップを繰り返して成長すると、大人になるころには、そこそこの自己肯定感が得られるわけです。

「自己肯定感の低さゆえに、生き辛さを感じている方へ」


自己肯定感の低さゆえに、生き辛さを抱えている方へ
自己肯定感は、いつからでも育むことができます。

性格だから変えられないとか、子供時代を変えられないからずっとこのままだと、諦めないでください。
今の自分を受容してくれる人を見つけてください。
自分の力を信頼してくれる人を見つけてください。
受容してくれる人と信頼してくれる人が、別でも構いません。
何人でも構いません。
そういった人をモデルにして、自分のインナーアダルトを育てていくのです。

いくつになっても、始めようと思ったときから始めればいいんです。自己肯定感を育むことは、いつからでもできるのですから。

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